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オジィのパイナップル

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 オジィのパイナップルは
 甘い香りとともに
 この夏の思い出をよみがえらせてくれた

 
 
 
昨日、小包が届いた。
箱を開けると、甘い香りが部屋中に漂った。
新聞紙に包まれたパイナップルが2個入っていた。

オジィからだった!




・・・この夏旅した沖縄の離島で、1人のオジィと出会った。
自分の生まれ島の実家に、お盆の時期だから顔を出しに来たのだという。
生まれ島とは別の島で暮らしているのだそうだ。
 
旅には出会いがつきもので、このオジィ以外にも、沖縄ファンの夫婦とも出会った。
 
ひょんなことから、オジィの家で、
この人たちとともに食事をしたり、高校野球の応援で狂喜乱舞したり、
お盆の行事のお手伝いをさせていただいたりと
まるで里帰りに親戚がそろったような楽しく貴重なひと時を過ごすこととなった。
 


 
オジィは、これまでの人生でいろいろワケがあって、今は1人で暮らしているのだという。
奥さんが子どもを連れて出て行ったのだという。
詳しくは聞いていないが、話からすると、オジィがまだ若い頃だろうと推測した。
子どもとは今も交流はほとんどないのだという。
 
みんなで帰省の話だったか親子の交流の話だったか、そういうたぐいの話をしていたとき、
オジィは言った。
 
 「さびしいことだぞ」
 
どうフォローしていいかわからないような、それまでにない強い口調だった。
オジィの心の叫びだと思った。
 


 
私や沖縄ファンの夫婦たちは、
オジィの子どもよりも若く孫よりは歳を取っている年齢層だけれど、
オジィにとって一緒に過ごした時間は楽しいものだったのかもしれない。
 


 
別れ際に、携帯電話の番号を交換した。
ついでに住所もメモに書いて渡しておいた。
 
そしたら、パインが届いたのだった。
 
お礼の電話をしたら、外を歩いているらしく、
ぶっきらぼうに話して食べ方の説明をしてくれた後、
しばらく不通みたいな感じになってやがて電話は切れた。
 
電波が途切れたのか、話がそこで終わりだったのかわからないような会話の終わりだった。
 
なんだかオジィらしい気がした。
 
口調はぶっきらぼうなところもあるが、
こうやってわざわざパインを送ってくれるところや
共に過ごした時間の中で感じたハートや、
小包に書かれていた几帳面でやさしさの感じられる筆跡から、
本当はあたたかい人だって、私は感じているから。
 


 
お礼に、島で撮った写真で写真集を作って送ろうかと思う。
 
小さい頃から慣れ親しんできた風景であっても、
写真でいつでも見られるようにはしていないだろうから・・・。
歳を取ると、ふるさとが恋しくなるときもあるだろうから・・・。
 


 
素敵な出会いと思い出ができた夏だった。
 
そして、オジィとの出会いの体験を通して、
私もたまには自分の故郷に帰って親に顔を見せないとなぁと、
親不孝をしている自分に気づかされた夏でもあった。

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