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「森の哲学者 メイナク族」

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 木や森と暮らす・・・
 それはどんな感じがするのだろう?

/大木 : 2007年春 地元の森林公園にて 








日曜日、「森の哲学者 メイナク族」という映像の上映会&シェアリングに出かけてきた。
 
ネイティブ・アメリカンに関する著書を書いている北山耕平氏が主催した
「時の輪講座」という勉強会に参加していた有志たちによる上映会だった。
 
この映像は、テレビ局のものなのだが、
この番組を作った元ディレクター本人とその仲間達が、さらに仲間を募って一緒に見よう!
ということで実現した会なのだそうだ。

 
ブラジル・アマゾンの奥地で全村民140名(撮影当時)で暮らしているメイナク族は、
この現代においても縄文時代に近い暮らしをしているという。
 
人工的な文明の豊かさはないが、
衣食住全てが森からの恵みでまかなえられ、
人と人との関わりあい方の中にあふれる暖かな心、
夢や精霊や先祖から伝わる物語なども現実を生きるための知恵として生かす豊かさなどは、
現代人が文明的な豊かさと引き換えに失ってしまった多くの物を考えさせられた。
 
 
 
 ・女は一人で子どもを生む。
 
 ・子どもの面倒は子どもが見る。
 
 ・子どもをしからない。
  子どもがうちに戻ってくるまで「今日も無事でありますように」と願うが、
  彼らは何をしていいのかいけないのかをわかっているので信頼している。
 
 ・文字を持たない。体験や受け継がれる「物語」を通して、
  体と心に部族の伝統や価値観がしみこんでいく。
  大人がモデルとして存在し、
  子ども達は暮らしの中の体験を通して人として成長していく。
 
 ・「自然」という言葉がない。
  自然は、人間の暮らしと隔離されてしまったからこそある言葉で、
  彼らの言葉であえていうならば、それは「世界」なのだという。

 ・「幸せ」という言葉もない。いつもそこにあるから。
  あえて言うならば、「みんながにぎやか」「みんながおだやか」。

 ・子どもの成長には家族が責任を持つ、または、村全体が子どもの成長に責任を持つ。
  子どもだけでない、誰かが怪我や病気をしたら、我がことのように心を痛める。
  「“みんな”が“みんな”でなければならない。」
 
 
 
映像も学びや気づき、感動が多いものだったが、
その後のシェアリングも、いろいろな人たちがきていて興味深かった。
 
映像を撮影して、メイナク族と一ヶ月間暮らしたことで、
自分の生き方を考えさせられ、作品の完成後に会社を辞めた、
元プロデューサー本人。
 
この勉強会を実施する仲間達のご縁のきっかけとなった北村耕平氏。
日本が「日本」と呼ばれる以前の昔むかしの古層にある
「人としての本来の生き方」のようなものに
私たち自身が関心を持つ必要があると訴えた。
 
東京に5000人いるというアイヌの人たちの長老的存在の治造エカシ(長老)。
エカシは今、千葉にアイヌ語で神々の遊ぶ庭という意味を持つ交流施設
「カムイミンタラ」を、資材を投じて自ら整備中なのだそうだ。
 
ストーリーテラー(語り部)を生業としているという女性が、
今までに世界を回って出会った素晴らしいストーリーテラーたちの話。
彼らは体の中から「語らずにはいられないもの」を持っているのだという。
そういう意味では、身近な老人達もそうなのかもしれない。
それに耳を傾け、彼らが古くから受け継いできたものや彼ら自身の人生を
語ろうとする手助けをするのも大切だと語る。
 
アボリジニー居留区の近くに住んでいたことのある女性。
彼らが置かれている状況、差別やアイデンティティの喪失、
心の隙間に入り込むアルコールや麻薬依存などの問題について語る。
 
富士山麓で平和の祈り(?)のイベントを主催している人たち。
今まではネイティブ・アメリカンを招待したりしてきたが、
これからは、他所の祈りではなく、
自分たち自身の祈りを見つけることが大切だというような話をした。
 
森林保護活動団体の人。
バイオエネルギーがもてはやされているが、
それはどこで作っているかというと
第三国の自然を破壊して畑にしていたりする現状があるという。
 
去年の秋に見た映画「久高オデッセイ」(2回目)の主催団体の方。
去年の映画についての感想を語り合う。
 
また、去年の冬に見に行ったネイティブ・アメリカンの映画「ホピの伝言」の
事務局だった方も来ていた。
「つながりますね・・・」と笑顔で言葉を交わした。
 
 
 
この数年、琉球の古層というようなものを知る機会を得てから、
原初的なものに興味が行くようになり、
映画上映会などに何度か足を運んでみている。
 
映像そのものから考えさせられることもたくさんあるが、
今までと違う分野の人たちとも出会うことが多く、
それがまた刺激的である。

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