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自分らしくいられる居場所

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一人一人が輝く花
/向ヶ丘遊園バラ苑:2005年初夏






    A rose is a rose is a rose.
    バラはバラであるところのバラである。

    すなわちバラの花は、バラらしいときにバラの花としての価値があり、また美しい。(*1)






いろいろな勉強会や交流会に参加すると、
その「場の雰囲気」がいかに大切かを感じることはありませんか?

緊張感漂う場、自分とは合わない雰囲気の場、
そこに行くとなぜかホッとする場、和やかでゆったりした場・・・。

先日、私は印象深い場の体験をしました。
そこはまさに、「素直に自分のありのままでいられる安心感のある場」でした。



それはコミュニケーションの勉強会でした。
私は、先輩と二人で、
あらたにそこのファシリテーターを務めることになったのです。

その勉強会は3年ほど前から続いており、3年前から参加している人もいれば、
それ以降の参加、
半年ほど前から別のクラスにいて今回からこちらに合流してきた人たちなど、
その日顔を合わせたメンバーの経緯は様々でした。

互いを知り合う日ということで、
私達も含め一人ずつ自己紹介をしていきましたが、
それぞれの人からさまざまな悩み・課題、想いなどが語られました。



すでに顔なじみのメンバー同士が中心ということもありましたが、
そうでない人たちもいるにもかかわらず、みなさんとてもオープンでした。
自分のプラスの面もマイナスの面も率直に語る姿がありました。

そして自己否定的な発言をした人に対し、
「私にはそうは思えない」とすぐさま率直なフォローの発言がなされ、
それを受けたご本人は「そういっていただけたらうれしい」とまた素直にそれに返す・・・。
そんなやり取りがなされました。

周りで聞いている他のメンバーもそのやりとりを温かく見守っていました。
その人がその人らしくその場にいることを受け容れていました。



自分の職場や地域活動などで自分の意見や思いを言えなくなってしまった体験も、
数人から話がありました。
人によっては自分を抑えた人間関係のストレスから体調が悪くなったり、
自分に自信がなくなってしまった時期もあったとのことです。



そしてまた、「この場では、自分の話を聞いてもらえるから話せるのだと思います」
「ここにいると自分らしくいていいのだと思うから、ここに来ているのかもしれません」
といったような発言がなされました。
 
そのたびに、聞いているメンバー達も、
それに共感するようにうんうんと深くうなずいていました。



勉強会は、とてもあたたかな雰囲気に包まれたひと時でした。
春から新しい「グループ」になったばかりだけれど、
この会は今後もうまくいくだろうなと実感しました。



私が人間関係や交流分析等に関する勉強でお世話になっている先生は、
よく「グループの力のすばらしさ」について話されます。

交流分析の杉田峰康先生のワークショップでも、
先生とテーマ提供者による一対一のワークだけでなく、
先生は時々ワークを見守っている周囲の人たちの力も活用されます。
「大丈夫、あなたを見守っている村人たちがいますよ」
「村人たちの意見も聞いてみましょう」といった形です。

私が体験した場、先生方のお言葉、いずれの場合も、
グループ内が言葉や態度によるプラスのストローク(*2)に満ち溢れていることの大切さを
物語っているといっていいでしょう。
  (*2)「心の栄養」にたとえられる、人と人とのふれあい


「そこにいくと気負わないでいい。素の自分でいられる。」
「そこには自分の居場所がある。」

・・・そう実感できる「場」を大切にしていきたいものですね。

そしてまた、
誰かの大切な「居場所」を構成する一員として存在する
自分自身でもありたいものです。



(「交流分析メールマガジン」126号コラムに加筆・修正)




(*1)「ゲシュタルト・セラピーの人格論」 倉戸ヨシヤ・倉戸由紀子著 
    関西カウンセリングセンター発行 より

ゲシュタルト療法提唱者であるフリッツ・パールズは、ガートルード・ステイン(Gertrude Stein 1874-1946)の詩「Sacred Emily(1933、著書「Geography and Plays(1922)」に収録)」のこの一説を引用し、健康で成熟した人格について上記のように説明している。
本来、詩では最初の「ローズ」は女性の名前のようだ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Rose_is_a_rose_is_a_rose_is_a_rose

        

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